

宇宙初期の元素
アメリカの物理学者ガモフが言った火の玉のような状態という考えはどこから思いついたのでしょうか。それは「なぜ宇宙には、水素やヘリウムなどの軽い物質(元素)が多いのか?」という謎から生まれたのです。
ベルギーの神父ルメートルは「宇宙が膨張しているということは、昔の宇宙は小さく圧縮されていたはずだ」として、そのような宇宙の出発点を「宇宙の卵」と呼びました。
ガモフはこの考え方に基づき「宇宙はかつて小さく圧縮されていて、そこから膨張してきた時に、あらゆる元素は作られていたのではないか」と考えました。
ここで少し、ミクロの世界の話をします。私たちの物質世界は原子からできていて、原子は原子核と、周囲をまわる電子で構成されています。原子核の中には陽子と中性子が、元素の種類に応じて決められた個数ずつそんざいします。原子核中の陽子と中性子の数が少ないほど、軽い元素になります。
ところで、初期の宇宙が超高密度だとすると、電子と陽子が圧力で結合し、中性子になっています。つまり、宇宙は中性子だらけだったのです。この小さな宇宙が膨張すると、中性子がベータ崩壊という現象を起こし、電子と陽子とニュートリノが生まれます。陽子1個は、水素原子核となります。水素は一番軽い元素です。
次に、陽子2個と中性子2個が結びつくと次に軽いヘリウム、陽子3個と中性子4個が結びついてリチウム、というように、軽い元素からウランなどの重い元素までが、すべて宇宙の初期に順番に作られていったと、ガモフは考えました。
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